熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

先日(2017年12月3日)、熊野古道トレイルランニングレース三重県)に参加しました。

フルマラソン大会の開催が無い三重県。ウルトラマラソン大会も無く、フル以上の距離を走破できるのは、先月開催された忍者トレイルランニングレースと、この熊野古道トレイルランニングレースだけ。日程の兼ね合いでこちらを選びました。

とにかくトレランが苦手なだけに心配でしたが、何とか完走することができました。これで全都道府県フルマラソン完全制覇41都道府県となりました。

レースの情景は「熊野古道トレイルランニングレースを無事完走」という記事でアップしたので、ここでは、アクセスやレース概況などをレポートします。

アクセスと宿泊

名古屋駅からワイドビュー南紀熊野市駅へ。南紀・熊野古道フリーきっぷが往復8230円とお得。バス券や各種優待券のオマケつき。新幹線との乗継割引(往復10820円)よりもお得です。

ただ、これは乗降駅かその周辺でしか購入できません。名古屋駅のみどりの窓口で15分ほど並びましたが、指定席は簡単に取れました。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

約3時間で熊野市駅に到着。駅周辺は割と閑散とした感じ。宿の方向(線路沿いに名古屋方面)へ進むと、古い商店が立ち並んでおり、懐かしい雰囲気を感じます。

今回宿泊した「わがらん家」は古民家を改装したもので、昭和の雰囲気満載。無料WiFiとエアコンは完備、近隣にコンビニや銭湯もあって、不自由は感じませんでした。お若いご主人の対応も丁寧で、レトロな雰囲気を楽しめました。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

受付会場にて

受付会場となる熊野市民会館へは案内看板が幾つもあって迷うことはありません。ゼッケンとTシャツ、おまけにレッドブルを貰えました。

スタート/ゴール会場にて

スタート/ゴール会場となる熊野市紀和B&G海洋センターへは、熊野市駅前から早朝4時発の無料バスで移動。バスは割りと大きくて混雑もありませんでした。

会場へ到着すると、スタートまでに1時間以上の余裕あり。着替えやトイレをゆっくり済ませても、若干暇をもて余しました。

待ってる間は寒いですが、暖房などはありません。防寒対策にダウンジャケットを着て行ったのですが、それで丁度よかった感じです。

スタート15分前くらいに荷物を預けてスタートゲート前へ。会場の敷地はそんなに広くなく、慌てることはありませんでした。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

コースの概要

出場したのは50kmのロングコース。実際の走行距離は累計51.2kmとのことですが、GPSウォッチでは51km弱でした。累積標高差は3000mとなっており、50km前後のトレランコースの中では難関と言えます。ロード、林道、登山道、岩場、鎖場、河原、渡渉と、バラエティに富んだコースが次々と出現します。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

↑GPSの実測データを「ヤマレコ」に読み込んで表示。

スタート~赤木城エイド

暗闇の中をスタート。曇りがちな天候は次第に晴れ渡りました。スタート時は低かった気温も、次第に日差しが出て、山の中でもあまり寒さを感じることはありませんでした。

とにかく完走を目標に、無理せずペースを保ちながら、ひたすら次のエイドを目指す、ということを意識しました。

スタートから赤木城エイドまでは、ロードを含めて比較的なだらか。気持ち良く飛ばせるトレイルが続きます。

丸山千枚田からは素晴らしい雲海を拝むことができ、多くのランナーがカメラやスマホを片手に撮影しながら走っていました。

赤木城エイドでは、名物の茶がゆでエネルギー補給。ここで約10.5km。次の小川口エイドまで14kmとの掲示あり。ここからが本番です。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

赤木城エイド ~小川口エイド

この区間のトレイルは厳しくなく、意外とロードが多い印象。気持ち良く走れるコースが続きます。

淡々と進むと、やがて河川敷のコースへ誘導されます。河原はゴロゴロの石だらけ。コケそうになりながら通過しました。

やがて小川口エイドに到着。ここで約25.5km。ここを出ると難敵の一族山が待っています。フルーツや水分を多めに補給して備えたつもりですが、結果的には全く不足でした・・・。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

小川口エイド~布引の滝エイド

小川口エイドを出てすぐに若干のロスト。見晴台に上がってすぐに降りるのが正解ですが、誤って直進してしまいました。同じく迷っているランナーが数名。ロストしやすいポイントのようでした。持参したハンディGPSが役立ちました。

ここからコースは厳しさが増します。最難関の一族山への登りは、なかなか終わりが見えません。後ろのランナーが「何なんだこれは・・・!」と呟くのに無言で相槌を打ちつつ、ひたすら登り続けます。

一族山を登り切ると、ランナー同士が「キツかったねえ!」と声を掛け合いながら下りに入ります。ところがここでエネルギー切れ。ジェルも喉を通らなくなって来ました・・・。

次第にほぼ徒歩の状態に。次々と追い抜かれます。トレイルの脇にヘタりこんで休み、また歩くの繰り返し。下りも満足に走ることができないまま、ようやく布引の滝エイドに到着。ここで約36.5km。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

布引の滝エイド~矢の川エイド

布引の滝エイドでは、とにかくスタミナの回復を試みましたが、喉を通ったのはミカンひとつとお汁粉だけ。しばらく座り込んでから、重い身体を無理矢理起こし、おもむろにレース再開。

この区間の下りは、勾配もキツいですが、とにかく滑って困りました。慎重に降りようとして、却って身体に負担がかかり、とても消耗しました。

また、繰り返し出現する沢にも神経を使います。足腰に力が入らず、渡渉も思うに任せません。踏み外して川にはまったところで、思わず川の水を手ですくって口へ。これが大変美味しい!がぶ飲みしてしまいました。幸い腹を下すこともなく、むしろ元気が回復し、矢の川エイドに駆け込むことができました。ここで約43.2km。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

矢の川エイド~ゴール

ここで制限時間まで余裕の無いことが判明。スタッフの方から「すぐ出発しましょう!ギリです!」との声が響きます。補給もそこそこに走り出しました。

エイドを出て間もなく、道案内のスタッフの方から「ここから最後の峰だよ~」という無情(?)のお知らせが・・・。もうひと峰あるのを忘れてました。約7kmを残して残り時間70分くらい。キロ10分で行かないと間に合いません。登り坂でも走り続けざるを得ず、最後の力を振り絞ります。

峠を越えた後はスピードアップ。ゼエゼエハアハアと声を上げながら、バネの無くなった脚を必死に前へ進めます。疲労も限界に近く、走っても走っても終わらないトレイルに苦しめられました。

残り3kmくらいでようやくロードへ。入鹿八幡宮が見えると残り1km。ようやく終わりが近づいてきました。そしてゴール直前、スタッフのお姉さんの「大丈夫、間に合うよ~!」との声援で、思わずラストスパート。タイムアップまで20分を切ったところでゴール。念願の完走を果たすことができました。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

レースの結果

30km過ぎ、特に一族山あたりからの落ち込みがひどく、ラップタイムは見るも無残な乱高下・・・。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

完走証(サイン入り)

翌朝の帰り、熊野市駅にて鏑木毅さんに遭遇。完走証にサインをいただきました。タイムを見て、静かで落ち着いた面持ちで「ああ、ギリギリだったんですねえ・・・」とのお言葉。お恥ずかしい・・・。

せっかくなので、厚かましくも、途中で食べられなくなる事への悩みを相談。「私も20時間くらい走ると食べられなくなることがあります」「ジェルをいろいろ試されるといいですよ」とのこと。

憧れの鏑木さん直々の有難いアドバイス。お疲れに違いないところの神対応。心より感謝申し上げます。無言でサインペンを貸してくださった駅員さん、誠に有難うございました。

熊野古道トレイルランニングレース(三重県、2017年)

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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