マラソン中の吐き気対策~逆流性食道炎の対策をヒントに

ここ数年来、マラソン中の吐き気に悩まされております。特に、トレランやウルトラでは、実際に吐いてしまうことが多いです。

水分補給が足りない、ガスターを飲めばよい、ジェルを選べばよいなど、いろんな情報やアドバイスを貰って試しましたが、これといったものは、なかなか見つかりません。

しかし先日、奥比叡・仰木棚田トレイルラン大会(滋賀県)で試したことがあり、少しは光明が見えてきました。

それは、逆流性食道炎への対策です。

逆流性食道炎にも長年悩んでいるのですが、医者に行くと、ガスターとかネキシウムなど、胃酸を抑える薬を処方されて、「しばらく様子を見ましょう」となります。しかし、薬は対症療法に過ぎないので、止めると元に戻ってしまいます。

もう少し何とかならんかな、と悩み続けていたのですが、先日たまたま、以下の書籍を購入して、書いてある体操をレース中に試したら、このときは吐き気が全く来ず、むしろお腹が空いてパクパク食べられるほどでした。

試した体操は以下の3種類。文章では詳しく説明できないので、ご興味があれば書籍をご覧ください。

1)左体側を伸ばす体操
2)鳩尾(みぞおち)を押さえつつの肋骨マッサージ
3)深呼吸をしつつの合掌ポーズ

いずれも、あくまで逆流性食道炎の対策であって、吐き気の対策ではないのですが、実際に効果を感じたのは事実。少なくとも、胃への衝撃は気にならなくなり、いつもは慎重に走っていた下りも、遠慮なくガンガン走っても、何ともありませんでした。

この対策が効いた理由は明らかではありませんが、1)2)3)の体操によって、なんとなくですが、上半身(肋骨~肩甲骨の周辺)がほぐれて内臓を含む身体のバランスが整った気がします。日頃、いかに上半身を意識して無かったか、ということかも知れません(あくまで個人的な意見ですが)。

ただし、先日のトレランは、割とやさしいコース設定だったので、もっと厳しいトレランやウルトラでは、効果が無いかも知れません。

※追記(2019年4月24日現在)
その後、ウルトラを2本(白山白川郷と屋久島)を走ったところ、やはり吐いてしまいました・・・。症状は、60~70kmくらい走ったところで、急に来る感じです。まだ仮説の段階ですが、上記で対策できたのは食道~胃上部(横隔膜周辺)までに過ぎず、問題は胃全体なのかも知れません。すると、腹筋~背筋下部~腰の強化(要するに体幹の筋肉)が課題である可能性があります。なお、フルマラソンではほぼ症状は出なくなりました。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. トレラン中の吐き気対策を非常に興味深く拝読いたしました。私はトレラン歴18年の60代男性です。63歳位からトレラン大会中に胃痛と吐き気が発生してリアイアするようになりました。ガスター10、ネキシウム、胃壁修復胃薬と試しましたが、胃痛は改善しますが吐き気はまったく治りません。補給食を変えたり、ペースを落としたり、腹巻をしたりと色々試しましたが効果がありません。毎年胃カメラ検査で経過観察の逆流性食道炎と診断されていますのでこの記事に非常に興味があります。そこで(1)その後のトレラン大会での結果はいかがですか。(2)レース中に試したというストレッチは「わかさ夢」に記載されていますか。以上2点をよろしくお願いいたします。

  2. こんにちは。胃痛と吐き気、つらいですよね。トレランの大先輩に、私などから何か申し上げるのは憚られるのですが、以下、ご参考になれば。
    (1)その後、トレランは走ってないのですが、ウルトラを2回走った結果、いずれも吐き気のトラブルを起こしてしまいました。ただ思ったのは、いずれも前半はストレッチ効果を感じており、トラブルは7~8時間経過後、急に来るという状態でした。このことから、長時間経過後の吐き気は、原因が違うのでは、とも考えております。医師でもないので、ただの素人考えですが・・・。
    (2)ブログに書いた3つの対処方法は、いずれも「わかさ夢」に書いてあります。実は、この3つ以外にも、いろんな体操やツボ押しなどが紹介されており、その中から簡単そうなのを選んだだけです。個人的には良い本だと思います。
    私の場合、明らかに猫背で、左右のバランスも悪いので、「わかさ夢」によれば、逆流性食道炎になっても当たり前なのかな、と思ったりしております。ですので現在、できるだけ姿勢を正そうと、ランニングフォームの改造に取り組んでいる次第です。
    以上、長々とすみません。また、情報交換させていただければ。

  3. 初めまして。興味深く読ませて頂きました。私もここ数年、35km過ぎから吐き気に悩まされています。かかりつけ医に相談してもなかなか原因がわからず、年末に内視鏡検査をしてもらったところ、食道と胃の間の括約筋が弱く、逆流性食道炎と同じ所見がみられるとのことでした。(が、具体的治療はH2ブロッカーの投与だけでした!)
    貴殿の試した体操が少しでも効果があれば、と思い先ほど書籍を発注してみました。ぜひ試してみようと思います。
    その後、貴殿の調子は如何でしょう? ブログを全部読ませてもらってないので、どこかで報告していただいているのかもしれませんが。また時間のあるときにブログを読ませていただきます。

  4. こんにちは。私も、食道と胃の間の括約筋が緩んでいる(食道が開いている時間が長い)という診断を受けています。
    前のコメント(2018年10月)以降の1年余り、スタート前にネキシウム(逆流性食道炎の治療薬)を服用するようにしております。その結果、少なくともフルマラソンで吐き気に悩まされることは無くなりました。ただ、吐き気がゼロになった訳でなく、特に30kmを越えた辺りから何度か「おえーっ」とはなるけれども、それが走りにはほぼ影響しなくなりました。単に慣れてきただけ、という感じもしますが。ガスター(H2ブロッカー)でも良い気はしますが、いずれにせよスタート前に服用することが必要と思われます。
    一方、より過酷なウルトラやトレランになると、様相が変わってきます。この1年余り、100kmを4回、60kmを1回、32kmトレランを1回走り、100kmで2回リタイア、いずれも吐き気(食べられなくなる)によるものでした。完走した100kmでも、1回は嘔吐してしまったが無理矢理完走したものです。
    ただ、完走した残り1回の100km(昨秋の南伊豆町100km)は、吐き気のトラブルに見舞われませんでした。この時は、中間地点でネキシウムを追加で服用しております。ラストスパートで胃の内容物が上がってきているのがわかりましたが(振動で口まで飛沫が飛び出てくる、つまり食道が開きっぱなし)、身体全体が限界を超えているので、それだけが気になることはありませんでした。
    以前のコメントでも書きましたが、フルマラソンでの吐き気と、ウルトラの7~8時間経過後に来る吐き気は、やはり質が違うと感じています。後者は、直前まで快調でも急に訪れ、抵抗することが困難な感じです。おそらくですが、エネルギー切れや水分不足なども含め、身体能力の限界を超えて無理がかかった瞬間にトラブっている気がしています。
    一方、フォームの矯正も、並行して行っています。私の場合、猫背で姿勢が悪く、上半身の筋力も弱い点が、吐き気にも影響している気がします。例の本の体操を含め、姿勢を意識し、筋トレもして、身体がほぐれた状態だと、ずいぶんマシに思えます。ただ、これも未だ確信がないので、引き続きいろいろ試したいと思います。
    ということで、解決には今ひとつの状態ですが、また情報交換させていただければ幸いです。

  5. 加瀬です。詳細なコメントありがとうございました。非常に参考になります。
    3月末の佐倉朝日健康マラソンにエントリしており、いくつか試そうと思っていましたが、例にもれず中止になってしまったので先送りです。
    しばらくはストレット等を継続し、各大会が再開して効果があったら報告させて頂きます。
    有難うございました。